8月17日 環境教育に関するインタビュー 報告書

インタビュー概要

  • 目的:地域の自然を守る活動をしている方にお話を伺うことで、自然保護の課題点や解決について考える。また、実際に環境教育はどのようにおこなわれているかについて知る。
  • 対象者:三好あき子 様 (埼玉県生態系保護協会 春日部支部長)
  • 日時:2020年8月17日
  • 実施方法:メールでおこなった。

インタビュー内容

1. 春日部の自然の今と昔を比べてどんな変化があったか

  • 私が支部長になったのは2002年ですが、1996年から犬を飼い始めました。犬の散歩で田んぼの周りを歩くようになり、その際、気が付いた植物などを書き留めたりするなどを始めたのは2000年くらいでしょうか。犬の散歩コースにある田んぼは一枚一枚個性があり、このたんぼはザリガニが多いとか、タニシがいる、ウキクサが多いなど、また、田んぼの畦にも様々な植物が見られました。現在、田んぼが消滅している場所もあり、また、委託されていくたんぼも多く、画一的になってきているとともに、生きものの数や種類が減少しているように思います。春日部にはまとまった自然があるというよりは、広い水田環境がいきものをはぐくんでいるという環境だと思いますが、その環境が減少・悪化していると思います。

2 .春日部の自然保護の方針

  • 春日部は元々低地湿地だった場所なので、市内で確認された県レッドデータに載っている種(植物)はその多くが湿地性のものか水草です。ですが、上に書いたように、多くの種が見つかりにくくなっています。当たり前にみていたものが、見つからないのが現状です。それでも、生育場所は田んぼという個人の農地なので、その場所での保護は難しく、移植保護も仕方がないと考えています。ウィングハットには以前から移植をしてはいたのですが、今後、もっと積極的に移植をして保全したいと考えています。

3. 子どもたちに環境教育をするうえで心がけていることなど

  • 現在、小学校で環境の授業をする・児童館で虫探し・学校ビオトープでの授業(宮川小学校で一年を通し)などの活動があります。子供が関心を持つのは無視なので、虫を中心に、生き物探しをします。
  • しかし、多くの女性が虫嫌いで、家の中でも虫が入ってきたら大騒ぎ、というのが多くの家庭で起きていることだと思います。小学校での虫探しの時は透明なプラスティックコップを用意してもらい、これを使って捕まえてもらいます。虫嫌いの子供でも捕まえることができるのと、捕まえたものを見せ合うこともできるからです。(無理に触らせたりはしません。)多くの子供が授業の終わり近くには嫌いと騒いでいたことがウソのように生き物を探しています。授業の終わりには見つけたものや気が付いたことなどを発表してもらいます。気が付くことが大事だと思っています。

4. 自然保護活動や環境教育の課題点

  • 自然は大事、ということは多くの人がわかっているのだとは思います。でも、そのことが自分たちの生活とつながっているということは理解されていないと思います。私たちの生活が、豊かな自然に支えられているということを、どう伝えるか、難しいと思います。
  • 一番伝えたいのは政治家ですが、あの人種は経済のことしか頭にない気がします。
  • 世界には自然環境を守る・復活させることに力を注いでいる国はたくさんありますが、残念ながら日本がそうであるとは言えないですね。

5. その他

  • 子供たちに自然の中で生き物に触れさせるというのはとても大事だと思います。経験しなければ自然を大切にする大人になるのは難しいだろうと思うからです。ですから、そういう機会があればどこへでも行こうと思っています。県の環境アドバイザーに登録しているので、昨年は戸田の保育園から声がかかり、お邪魔してきました。その時感じたのは、都会の子供はかわいそうというか、厳しいというか、草の上で走り回る場所すらろくにないのだ、ということです。身近に触れる場所を確保するのが大事だと思います。身近に自然に触れる場所を確保するのが大事だと思います。

調査により得られたもの

実際に地域の活動をしている方にお話を聞き、地道な活動を長年続けることで成果が得られることがわかった。また、環境教育が実際にどのようにおこなわれているのかを知り、豊かな感性を育んだり自然を大切にする心を育てたりするために必要なことであると感じた。

反省点

関東3メンバー全員でおこなえたらよかったが、対面が難しく、メールのやり取りとなってしまったことが反省点である。

今後の課題

インタビューをただするのではなく、今後地域の活動をする際に活用していきたい。内容をメンバーに共有し、今後の自然保護の在り方についても考えていきたいと思う。

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