インタビュー概要
- 実施日時:2020年8月26日(水)19時~21時
- 使用ツール:zoom
- 対象者(講師):名取洋司さん(国際教養大学)
- 参加者:芝崎・志摩・矢動丸(事務局)・浅岡(事務局)・小幡(関東)・川辺(関東)
- 連絡手段:メール
- インタビューの目的:活動のキーワードである「生物多様性と文化」に関連する”SATOYAMAイニシアティブ”について学ぶことで、知識を深め、活動に活かす。
- アポイント取得方法:7月の意見交換会で勉強会の開催を提案し、その後メールで詳しい話を進めた。
調査結果
- 里山は生物多様性のみならず、地域の経済や伝統文化・アイデンティティなどを支える役割を担う重要な土地である。また、国立公園や保護区のように管理者がはっきりしていないことが多いため、多様なステークホルダがそれぞれの考える価値を共有し、共通理解することが重要となる。里山を利用しているのは、人間だけに見えるが、実際は昆虫や動物なども利用しており、生物多様性の宝庫である。
- 周囲の環境が開発などによって大きく変化する中、地域の文化などが色濃く残っている里山を保護・保全していくためには、新たな資源管理手法などを考える必要がある。
質問内容
- 開発途上国と一般的に呼ばれるような地域では、急速な土地開発や資源利用が原因 で、里地・里山の環境が崩れる事が多いと思います。しかし、日本(特に九州のような田舎)の場合は地域社会の衰退(高齢化・過疎化)によって、里地・里山の環境が大きく変化しているように思えます。前者では、計画的な資源利用を行うなど、比較的解決策が分かりやすいですが、後者ではどのような対策が有効なのか、また先行事例があれば教えていただきたいです。
- 国内外の里地・里山で生活されている方などにお話を聞いてきた中で、彼ら自身の 生活と保全にどう折り合いをつけるのかが大きな課題なのではと思いました。奄美大島では観光産業が盛り上がりをみせるにつれて、道路や空港などが整備され自然に手が加えられています。地元の方の生活を考えると、必要不可欠なことだと思いますが、それを許し続けると自然はなくなってしまいます。里山イニシアチブでは、この点をどう捉えているのでしょうか?
- 名取さんが世界の取り組みを見られてきた中で、日本(特に奄美大島)で参考になると思われる持続可能な取り組みとはどういったものがありますか?
- SATOYAMAイニシアティブの中で、名取さんが興味深いと思われた取り組みとその理由、また重要だと思われる点についてよろしければ詳しく教えてください。
- ウィズコロナ、ポストコロナにおいて、SATOYAMAイニシアティブは今後どのように活動していき、どうあると良いと思わますか?
- SATOYAMAイニシアティブがCOP10で決議に取り込まれた際、里海の話は出なかったのでしょうか?里山にフォーカスされたのはなぜでしょうか?
- SATOYAMAイニシアティブを今後も学んでいく際に、おすすめの図書がありましたら教えてください。
調査によって得られたこと
里海・里山のような中心的な管理者が居ない地域を保全していくには、マルチステークホルダーでの協力が不可欠であり、今の奄美大島での活動に足りていない部分であると感じた。国外での事例を見ていく中で、奄美大島でも活用できそうな活動やアプローチ方法を知ることができた。
今後の課題
今回の勉強会を通して、実際に九州チームで活動する際の注意点や意識しなければならない点が明確となった。今後は、それらのポイントを意識して活動に取り込んでいく必要がある。
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