【概要報告】オンラインユースカンファレンス みんなで生物多様性の4つの危機を考えよう Vol.2~どうしたらいいの、これからの里山保全と鳥獣管理~

開催概要

  • 催事名:オンラインユースカンファレンス みんなで生物多様性の4つの危機を考えようVol.2~どうしたらいいの、これからの里山保全と鳥獣管理~
  • 日時:2020年10月24日(土) 20時~22時00分
  • 主催:Change Our Next Decade (COND)
  • 対象者:15歳から30歳のユース
  • 定員:20名 当日参加者(計 7名)
  • 会場:オンライン(Zoom)
  • 開催目的:生物多様性の4つの危機について考える・参加者同士の交流を深める
  • 募集方法: 広報にはCONDのSNSアカウント(twitter, instaglam, facebook)を使用

プログラムと当日の流れ

本イベントは、坂浦(生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)が司会を担当し、進行しました。小幡(生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)からは導入としてアイスブレイクとブレイクアウトルームでのディスカッションの方法と、生物多様性の4つの危機を説明いたしました。その後、三浦(生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)から「森林生態系の危機」についてと、難波(生物多様性ユースアンバサダー・関東⑤チーム)から「河川生態系の危機」について話題提供いたしました。

本イベントは、片山(生物多様性ユースアンバサダー・関東⑤チーム)が進行しました。小幡(生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)から導入として生物多様性の4つの危機を説明いたしました。その後、中島(COND事務局)から「どうしよう?身近な自然」というタイトルで里地里山の保全について、佐藤(生物多様性ユースアンバサダー・北海道チーム)から「野生動物保護管理って?-北海道-の事例から考えられること-」について話題提供いたしました。

当日の流れは以下の通りとして計画をしていた時間内に収まりました。

第1回目のオンラインユースカンファレンスの課題を踏まえ、ディスカッションの時間を35分間から45分間に増やし、最後に希望者のみの懇親会を30分設けました。

20:00  ガイダンス・イントロ 片山/小幡(生物多様性ユースアンバサダー・関東⑤/関東④)

20:05   話題提供①        中島(Change Our Next Decade事務局)

20:20  話題提供②         佐藤(生物多様性ユースアンバサダー・北海道チーム)

20:35  質疑応答       小幡(生物多様性ユースアンバサダー・関東④)

20:55  ディスカッション   里山保全:片山 鳥獣管理:三浦

21:40  ディスカッション内容の共有   小幡(生物多様性ユースアンバサダー・関東④)

21:55  閉会挨拶   矢動丸(Change Our Next Decade代表)

22:00  終了

22:30 希望者のみの懇親会

質疑応答ではスプレッドシート上に参加者からメッセージ上に届いた質問を記入及び選定し、Zoom上で参加者全員が質問を把握できるよう読み上げました(担当者:小幡)。それらの質問は話題提供者の2名が応答しました。参加者からは5つの質問がありました。質問にあった内容の一部は以下の通りです。

質疑応答:鳥獣管理について

Q.ロードキルが秋から冬にかけて起きるのはなぜでしょうか

A.季節移動が影響しています。秋から冬は、雪が少なく、えさ資源が豊富、かつ狩猟の対象区外である市街地に集まるため、ロードキルの発生が多くなります。

Q.エゾシカはおいしいですか?

A.おいしいです。とくに雌や子供は肉質が柔らかく、臭みも少ないです。鹿肉はビタミンや鉄分が豊富、赤身なので健康にも良いといわれています。

*応答は運営者による聞き取りメモとなっています。

質疑応答:里山について

Q.海外で、里山の事例や里山の考え方が広まっているのか教えてください

A.里山は人と自然の関わりを推進していこう、という考え方です。日本固有のものだけでなく、海外でも似たような考え方・文化は存在しています。SATOYAMAイニシアティブの取り組みを伝えていく事例があります。

Q.里山保全に取り組む間に感じた、開発による環境変化について教えてください

A.植生の遷移により、湿地が草地に代わってしまいます。人工的に雑木林に手を加え、湿地を保つ努力が必要ですが、人手不足が課題です。

Q.生物文化多様性について

A.人の生活の場は元は湿地が多い。田んぼは、湿地の生き物の代わりの住処として機能をはたしていて、文化とも密接に結びついている。またマツタケは、松林に人の手が加わらず荒廃したため、絶滅危惧種になってしまいました。これも生物多様性と文化が結びついている事例だと思います。

*応答は運営者による聞き取りメモとなっています。

ディスカッション

事前に申し込みフォームにて参加者の希望セッションを把握し、里山保全グループと、鳥獣管理の2グループに分かれてディスカッションを実施しました。アイスブレイクと自己紹介、感想共有のあと、グループでそれぞれ質疑応答や参加者の体験を踏まえ、ディスカッションを進めました。話題提供者は参加者とともにディスカッションに加わり、主催メンバーは進行と記録を担当しました。

<里山保全グループのディスカッションの内容まとめ

■担い手の確保について

・メンバーは高齢者と親子に大きく分かれる。それぞれ保全に関わる目的が違うため人手不足は深刻でないが、共通の管理目標を認識することが課題

■里山の維持について

・周囲を市街地に囲まれているため訪れる人は多く、活動メンバーも定期的な加入がある。一方、行政のサポートは担当者に左右されるため不安定だと感じている。

→地域住民が里山の資源に価値があると認識することが重要ではないか。たとえば、学校での出前授業や、里山カフェのような場所を作って、親が自然と触れ合ってきたりして、子どもに伝えるというのは理想な環境だと思う。

<鳥獣管理グループのディスカッションの内容まとめ>

・狩猟者の高齢化や担い手不足が深刻化している

 →狩猟者だけでなく、行政の担当者や関連する加工・卸業者に関わる人が少なく、ジビエが利用されない背景には根本的な問題があると考える

・生活者としては、ジビエの購入、消費に貢献したい

 →自然環境に関心のない人たちに向けて一般に広めるためには、自然に食べる機会を増やすことが重要ではないか。学校給食で子供のころから、慣れ親しむと良いかもしれない。

・狩猟者の減少について

 →海外では一次産業の従事者が狩猟を行う例もある。日本でも狩猟について普及啓発を行い兼業ハンターを増やすのはどうか

 →狩猟免許や狩猟行為は女性にとってハードルが高いのでないか。狩ったシカの運搬は体力的にも難しい面はある。また銃をもつことに抵抗を感じてしまう人もいるかもしれない。罠猟なら始めやすい場合もある。

参加者アンケート

イベント終了後に、参加者へアンケートを実施し、4名の回答を得ました。

■イベントの満足度

 「とても満足した」から「とても満足していない」まで4段階でイベントの満足度を聞いたところ、4名が「とても満足した」と回答しました。

■話題提供について

 話題提供の時間について「適切だった」、「長かった」、「短かった」の3段階で評価を聞いたところ、4名が「適切だった」と回答しました。また話題提供の内容・方法について下記のコメントを頂きました。

・わかりやすくてよかったです!

・興味引かれる内容でした。

■ディスカッションについて

ディスカッションの時間について「適切だった」、「長かった」、「短かった」の3段階で評価を聞いたところ、「適切だった」が3名、そのほかの回答として「少し短かった」が1名でした。またディスカッションの内容・方法について下記のコメントを頂きました。

・画面共有しながら進められたのがよかったです。

・まとめの時間などがあっても良いのかなと感じました。

・ファシリテーターの方が適宜話をまとめて下さったので、とても勉強になりました。

■感想(原文ママ)

・2回目参加すると前回参加した人と再会??できてとても嬉しかったです!

・COMDの中には社会人の方もいると聞きましたが、その人は仕事の合間に活動に参加しているのでしょうか?

・次回開催のイベントも是非参加させていただきたいと思います。

・画面共有されていたノートがとても分かりやすかったので、もしできるのであれば、後から見られるような形にして下さると嬉しいです。

まとめ

・2回目の開催でリピーターができ、参加者同士の交流が深まりました。

・ディスカッションの時間や進行に余裕を作ったことで話し合いが増え、満足度が高まりました。

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