目的
現地を体感しながら、三番瀬フォーラムさんのアンケート内容に基づいた内容を伺うこと
対象者
三番瀬フォーラム(清積傭介さん、安達宏之さん)
日時
2020年9月27日(日)10時00分~11時30分
アポ取りの方法
アンケートで収集したメールアドレスでメールのやり取りをして日程調整を行なった。
当日の流れ
展望スペースで集合し、干潟に移動した。干潟を歩きながらインタビューを実施。清積さんからの話を挟みながら用意していた質問をした。
質問内容
- 干潟をまもる理由・きっかけ
- これまでの10年間(2011年~2020年)で干潟にどのような環境破壊や人による被害があったか
- 2019年のイボキサゴ復活について
- 周辺の経済活動は、干潟にどのような影響を与えているか
- 地域住民との交流
- 2030年までの理想像
調査結果(概要)
① 干潟をまもる理由・きっかけ
- 実家近くの幕張海浜公園で潮干狩りをしていたら、青潮でメバルやタイがたくさん死んでいた。これを見て、自分の手で青潮をどうにかしたいと思った。
② これまでの10年間(2011年~2020年)で干潟にどのような環境破壊や人による被害があったか
(1) 環境破壊
- 30年以上続く青潮
- 三番瀬は、埋立予定地の開発を中断させてできた干潟なので、海底に不自然な段差が多い。お台場地区から流れてくる生活排水が雨と一緒に海へ流れ込み、千葉港や浦安を経由し、三番瀬に流れ込む。三番瀬は、人工干潟の為、ヨシが無く、リンや窒素などが蓄積した。青潮の影響は年々悪化しており、生物の数が減少を続けている。一方で、ホンビノスガイが増加している。
- アサリやホンビノスガイの密漁
- 漁業で使う事が禁止されている器具を使って捕獲する人や漁業領域に侵入して捕獲する人がいる。
(2) 成果
- 密漁監視カメラの設置と警備員の配備
- 把握していないが、監視カメラは2017年には設置されていた。赤外線センサーで夜間でも撮影可能。監視カメラのデータは、漁協と三番瀬フォーラムに送られる。
- 警備員は、常時2人配備している。
- 青潮モニタリングポスト
- 4カ所設置している。30年前から独自の調査で青潮の動態を把握していたが、正確な測定器を設置したことで三番瀬フォーラムの30年間の調査結果が裏付けられた。
③ 2019年のイボキサゴ復活について
- 中央博物館の学芸員や東邦大学の風呂田さんが立ち合いの基でNHKの取材を受けた。三番瀬のイボキサゴは、数が少ないものの、通常のイボキサゴよりも個体の大きさが大きい。これは、全窒素・全リンのおかげだ(笑)
- イボキサゴは、盤洲干潟に多いので、盤洲から三番瀬へ流れて来たのだと推察している。生態系を再生していくためには、干潟・藻場などの連続した生息環境や生物の移動や定着を可能とするネットワークが重要。三番瀬は、富津からアマモも流れてくる。
④ 周辺の経済活動は、干潟にどのような影響を与えているか
- 駅からも離れており、バスの本数も少ないので経済効果は殆ど無い。
⑤ 地域住民との交流
- 市川市の漁協や市川の青年相談員などと協力して観察会(船も使う)や漁業体験
- 富津漁協と協力してアマモ場の観察会
⑥ 2030年までの理想像
- ヨシを盤洲干潟から貰って植え、干潟をヨシで埋め尽くす。
- エアレーションやエアダムを活用した青潮対策
調査によって得られたもの
三番瀬では青潮の問題が最も顕著であり、三番瀬フォーラムでも一番重要な課題と認識していることがわかった。
今後の課題
東京湾全体の活動のネットワークが必要だと感じた。
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