開催概要
- 催事名:オンラインユースカンファレンス みんなで生物多様性の4つの危機を考えようVol.1~開発と自然保護は本当に両立できないのか~
- 日時:2020年8月24日(月) 20時~22時00分
- 主催:Change Our Next Decade (COND)
- 対象者:15歳から30歳のユース
- 定員:20名 当日参加者(計 11名)
- 会場:オンライン(Zoom)
- 開催目的:生物多様性の4つの危機について考える・参加者同士の交流を深める
- 募集方法: 広報にはCONDのSNSアカウント(twitter, instaglam, facebook)を使用
プログラムと当日の流れ
本イベントは、坂浦(生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)が司会を担当し、進行しました。小幡(生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)からは導入としてアイスブレイクとブレイクアウトルームでのディスカッションの方法と、生物多様性の4つの危機を説明いたしました。その後、三浦(生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)から「森林生態系の危機」についてと、難波(生物多様性ユースアンバサダー・関東⑤チーム)から「河川生態系の危機」について話題提供いたしました。
当日の流れは以下の通りとして計画をしていた時間内に収まりました。
20:00 挨拶・ガイダンス(坂浦:生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)
20:05 アイスブレイク(小幡:生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)
20:10 イントロ(小幡:生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)
20:20 話題提供①(三浦:生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)
20:35 話題提供②(難波:生物多様性ユースアンバサダー・関東⑤チーム)
20:50 質疑応答(小幡:生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)
21:00 まとめ(坂浦:生物多様性ユースアンバサダー・近畿チーム)
21:05 ディスカッション 森林①小幡 森林②片山 河川①坂浦・川辺 河川②矢動丸
21:40 ディスカッション内容の共有(小幡:生物多様性ユースアンバサダー・関東④チーム)
21:55 閉会挨拶(矢動丸:Change Our Next Decade代表)
22:00 終了
質疑応答ではスプレッドシート上に参加者からメッセージ上に届いた質問を記入及び選定し、Zoom上で参加者全員が質問を把握できるよう読み上げました(担当者:小幡)。これらの質問には三浦が応答しました。河川の生態系については、話題提供者の難波が回線トラブルで参加できなかったため行いませんでした。参加者からは3つの質問がありました。質問にあった内容の一部は以下の通りです。
質疑応答:森林生態系における開発の危機について
Q.人工林は国や県などの行政が所有している場合が多いのか、もしくは個人が所有している場合が多いのか、が気になります。
A. 人工林の約7割以上は民有林だと言われています。ただし、所有者が不明なケースも多く問題になっています。
Q. 生態系の保全のために森林の所有権(国有/民間)の問題や代替産業の提案が課題として考えられますが、一連の発端である行政で現在取り組まれていること、また森林loverの三浦さんが描く理想の森林を利用した事業についてご存時のことがあればお伺いしたいです。
A.行政の取り組みについては、北海道は森林面積が日本で1番であり、さらに本州との地理的な違いにより機械化しやすいという特徴を生かし、林業を通した森林保全に関する取り組みが進んでいると感じています。また放置された人工林については、北海道はバイオマス発電が盛んなため、建築に向かない木材であっても有効に活用する方法があります。
また、森林を利用した理想の事業についてですが、
放置人工林の解消には、日本の森林を有効活用することが必要です。近年ではさまざまな事例があり、鉛筆や名刺入れなど人工林の間伐材を使用した日用品を作成・販売し、木材の利活用とともに人工林の荒廃について普及啓発を行われています。「森林の開発の危機」は、森を使って日本を豊かにするチャンスとも捉えることができると考えています。
Q. 名刺入れや鉛筆では消費量に限界があるのではないか。積極的に活用していくには、どのような方法があるのか
A. まずはブランディングし販売した商品の利益を森林保全につなげるサイクルの構築が必要です。また、従来の建築法では使えなかった規格の木材でも利用できるよう、新しい技術で国産材を活かす乾燥方法などが考案されています。
*応答は運営者による聞き取りメモとなっています。
ディスカッション
事前に申し込みフォームにて参加者の希望セッションを把握し、森林グループと、河川①・河川②の3グループに分かれてディスカッションを実施しました。自己紹介・感想共有
のあと、森林および河川生態系の開発の危機について、「自分でできること」、「周りの人(ユース)とできること」、「社会でできること」の3点を中心に話し合いました。話題提供者は参加者とともにディスカッションに加わり、主催メンバーは進行と記録を担当しました。
<森林グループのディスカッションの内容まとめ>
■自分でできること
・インスタやツイッターに共有する
・イベントを立ち上げる
■周りの人(ユース)とできること
・意識を上げるための情報共有→「知る、参加する」をすすめる
・関心の低い登山者へのエコツアー
→植物や地理など、色んな専門分野のメンバーで登山したら楽しい!
・写真で種を判別できるアプリ(バイオーム)を活用すれば
一人でも楽しめそう
・オンラインでできる自然体験に参加する、実施してみる
■社会でできること
・森林所有者問題→市町村が管理・林業者に委託
・社会でできること→産業構造と開発が関係しているのであれば、行政や企業を巻き込んだCSR活動ができるのではないか
・登山利用者の人数制限により踏圧や外来植物の被害を減らす
→いつでも、だれでも気軽に利用できる環境から、ルールやマナーを守った利用に転換できる
<河川グループのディスカッションの内容まとめ>
■社会でできること
・課題を一人でも多くの人が「自分ごと」として捉えるために、テレビやSNS、地域の新聞など様々な媒体を活用した普及啓発が必要
・コンクリートで覆う工事
→遊水池のような場所を作っていく。多自然型川作りができる。
・治水をメインにした川作り
→多摩川の事例、地域と協力した川作り
・環境アセスの必要性+人材育成
→社会人を対象にするならエコツーリズム・エコツアーが良いかも
国土交通省や河川環境局などの専門のところの分類をいくつか見る必要がある
・気候変動対策と両立した生物多様性保全
→愛知目標を動かす、次のSBSTTAで提言していく
参加者アンケート
イベント終了後に、参加者へアンケートを実施し、4名の回答を得ました。
■イベントの満足度
「とても満足した」から「とても満足していない」まで4段階でイベントの満足度を聞いたところ、回答結果は「とても満足した」は2名、「満足した」が2名でした。
■話題提供について
話題提供の時間について「適切だった」、「長かった」、「短かった」の3段階で評価を聞いたところ、4名が「適切だった」と回答しました。
■ディスカッションについて
話題提供の時間について「適切だった」、「長かった」、「短かった」の3段階で評価を聞いたところ、「適切だった」が3名、「短かった」が1名でした。
またディスカッションの内容・方法について下記のコメントを頂きました。
・各グループの進行役の方がタイムマネジメントがしっかりとしていて素晴らしかったと思います。
・全員で共通のテーマが1つあってもいいかも
・ディスカッションの中身に対して、時間が短めに感じた。ディスカッションの進行は打倒に感じたので、人数を5人程度にするか、時間を延長した方が良いと感じた。
■感想
・事前にアンケートを取っていただいていたおかげで、ブレイクアウトルームで少人数でディスカッションができたことで、関心のある内容に合わせ非常に深い意見交換ができました。話題提供者様のプレゼンもわかりやすく素晴らしかったです。
・定量的な数値もソースとともに示していて、説得力がありました。
・発表者の方々のしっかりとした ご発表、質疑応答に驚きました。運営者の方々の、明るい雰囲気も伝わり、リラックスしてポジティブに、自然環境についてディスカッションされておられ、楽しかったです!
まとめ
・話題提供者が参加者と一緒にディスカッショングループに参加したことで、より深く議論することができました。
・アイスブレイクや自己紹介など、カンファレンス中の雰囲気づくりを工夫し、参加者および主催者同士の交流を深めることができました。
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